看護師の新人研修などで口を酸っぱくして言いわれるのが「報連相の重要性」である。
報連相の目的や重要性を、今一度確認しておこう。
看護師の業務に報連相が欠かせないのは、患者の安全をチームで守っているからだ。もし、一人だけで仕事をしているのであれば、誰にも報告・連絡・相談をせずに、自分のペース、自分の判断で業務を進められる。しかし看護師はチームで働く。チーム間の情報共有は必須である。その重要性について、具体的にみていこう。
最も重要な目的は、トラブルの防止だ。連絡を密にしておくことで、トラブルを未然に防いだり、万が一トラブルが発生した場合でも迅速に対応できる。
次に、仕事をスムーズ進めるためことも、大切な目的である。看護師はチームで働いており、それぞれが役割を分担して業務を行っている。チームをまとめる上司は、それぞれの業務の進み具合や結果がわからなければ、チームを指揮することができない。報連相が行われていれば、適切なタイミングで手助けを行うなど、業務を円滑に進めることができる。
また、報連相をこまめに行うことはコミュニケーションの機会が増えることだから、人間関係も良好になる。
この場合の人間関係とは、友人のように親しくなることではない。チームの一員として、人間性を尊重するコミュニケーションが可能になるということだ。こまめに報連相を行っていれば、上司が一方的に部下を叱責するなどの誤解も生じにくく、円滑に働ける環境が整う。